Isabella McHutcheson Sinclair -  イザベラ・シンクレア(1840-1890)

スコットランド生まれ。父はニイハウ島をカメハメハW世からゴールド$10000で購入したエリザベス・シンクレアの兄弟。夫は、後にニイハウ牧場の管理もしていたイザベラの従兄妹(いとこ)にあたるエリザベス・シンクレアの息子、フランシス・シンクレア。
イザベラはボタニカル専門のアーティストで、ニイハウ島や家族と共に暮らしていたカウアイ島の植物研究を続けており、1885年、ロンドンにてハワイ原産の固有フラワーを描いた作品を集約した本を出版しました。そこに掲載されている44作品の中から14作品をジクレープリントとして、こちらで提供しています。

イザベラは近い将来訪れるであろう自然環境の変化、崩壊についてこの本の中で次のように語っています。
「ハワイの花々は無造作にどこにでも育っている、と思われがちですが、もちろんそういった種類もたくさんありますし、どれもがとても芸術的ですらあります。島々に生息している花々はハワイの自然に非常に適応していますが、海外からの在来種の増加や環境の変化によってその在続が危ぶまれています。・・・・この50年から60年の間におきた森林の自然火災、動物たちの増加、農業の発展は島の自然を一気に変えてしまいました。今では1マイル歩く間に、ハワイ固有の花々を見つけることすら難しくなってきてしまいました。」
そしてイザベラは続けます。
「ハワイを侵略してきた多くの存在は、まるで魔法のように一瞬で広がり、長年そこに生息していたハワイ固有の植物をあっという間に絶滅させてしまったのです。」

ハワイ固有の植物にこだわり、固有植物を心から愛していたからこそ、細部にわたり丁寧に描かれたイザベラの作品は19世紀のクロモリソグラフ手法を使い、全て手書きで色付けもされた非常に優れた作品です。作品が収められた書籍「Indigenous Flowers of the Hawaiian Islands」は現在では絶版となり、米国では非常に高値で取引されている貴重な一冊です。